お屠蘇
屠蘇散は中国の三国時代の名医の華佗が作った漢方薬と云われ
「邪気を屠り魂を蘇(よみがえ)らせる」
と云われるところから屠蘇と名付けられました。
年の始めに飲めば、
その年は災厄を避けられて幸福を招くと伝えられています。
日本には今から1190年前の弘仁二年(811年)
中国の蘇明が来朝の時伝えたもので、
嵯峨天皇が四方拝の御儀式の後に御用いになったのが始まりで、
以後今日まで民間でも天皇に習い、
元旦に一家の無病息災と幸福を迎えるために服用しています。
処方は
気剤として桂皮・山椒・防風・酒、
水剤として赤小豆・蒼朮・土伏苓・桔梗・『烏頭』
血剤として大黄から構成されて、
健胃・整腸・利尿・鎮咳・去痰・防腐・解熱・解毒・発散
などの効果があり、
水毒を去り保温の効果が顕著です。
日本では烏頭の毒性を怖れて省いていますが、
本来烏頭は干支の玄武で、北の守りの寒さ避けの主藥ですから、
無毒化された生薬を使えば、
冬の保健薬としての藥効を強化するものです。
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烏頭も、附子も、天雄も、トリカブトの根です。
母塊茎を烏頭、傍らに新塊茎(仔塊茎)が出来たのが附子です。
また天雄は、母塊茎に仔塊茎を着けないように栽培、肥大させたものです。
『渡邉武』