こんにちは、漢方倶楽部マツフジの松藤友紀です。
今日はオランダのシンタクラースについてご紹介します。
この方はサンタさんではありません。
シンタクラース(Sinterklaas)は、オランダで毎年12月5日に祝われる伝統的な祝祭。子どもたちにとって最も楽しみなイベントの一つです。 Pakjesavond と呼ばれるこの夜には、シンタクラースが子どもたちに贈り物を届けに来るとされています。
シンタクラースとは

シンタクラースは、白い髪と長いひげが印象的な、威厳あるおじいさんの姿をしています。
白い司祭服の上に赤いローブを羽織り、金色の杖とルビーの指輪を身につけ、頭には赤い司教冠。
まるで絵本から抜け出した聖人のような姿で白い馬に乗っています。
起源は、4世紀のギリシャ人司教 聖ニコラウス(Saint Nicholas)にさかのぼります。
彼は貧しい人々や子どもたちを助けた慈悲深い人物として知られ、後に聖人となりました。
中世以降、この聖人の伝説がヨーロッパ各地に広まり、オランダでは「シンタクラース」として定着しました。
ズワルトピート
シンタクラースの従者として登場する ピート(Piet)。
19世紀に創作されたキャラクターで、かつては顔を真っ黒に塗った「黒いピート(Zwarte Piet)」として描かれ、陽気に踊りながらシンタクラースの手助けをする存在でした。
その役割は単なる助手ではなく、子どもたちの行いを見分ける者という側面も持っており、悪い子を白樺の棒で懲らしめたり、袋に詰めてスペインへ連れていくとされています。
近年では、シンタクラースとピートとの関係が奴隷制を思い起こさせ、黒塗りのピートの見た目も人種差別的だとして批判を受けるようになりました。
このお祭りを愛するオランダの人々は、奴隷制でも人種差別でもない!ピートの顔が黒いのは煙突から入ったときに煤で汚れたからだ!とずいぶん反論もしていたようですが、
現在では真っ黒ではなく、薄い煤や様々な色に顔を塗ったピートがいます。
こうした変化は、伝統を保ちながらも時代の変化や社会の倫理観に合わせて更新していくオランダ的な柔軟さを示しているのかもしれません。


シンタクラースの到着
シンタクラース御一行は、毎年11月中旬にスペインから蒸気船でオランダに到着するとされています。
この由来は諸説ありますが、かつてスペインが南ヨーロッパにおけるキリスト教圏の中心地だったこと、
また16〜17世紀にかけてオランダとスペインが複雑な関係を持っていたことが影響していると考えられます。
シンタクラースの到着(intocht van Sinterklaas)と呼ばれるこのイベントは、全国各地で行われ、テレビ中継される一大イベントです。シンタクラースは白馬に乗り、色とりどりの衣装を着たピート(Piet)たちを従えて行進します。
こちらの動画は、去年の生中継されたシンタさん御一行の様子。※5時間あります!
今年はハーグでは、11月15日。
大幅な交通規制などが予定されているのでご注意ください。
🚢Sinterklaas komt op 15 november aan in Den Haag
子どもたちのお楽しみ
シンタクラースの到来から12月5日までの間、子どもたちは夜になると靴を暖炉や窓辺に置く。
その中にシンタクラースの白馬のための人参や干し草を入れておくと、翌朝には小さな贈り物やお菓子が入っているというのが伝統的な慣習です。
12月5日の夜は Pakjesavond 、家族でプレゼントを交換する日。
この夜、シンタクラースがすべての家を訪れると信じられており、子どもたちは歌を歌いながらその到来を待つ。一方、大人たちは、贈り物にユーモラスな詩(gedicht)を添え、軽い風刺や感謝の気持ちを伝える。
単なる贈答ではなく、言葉と創意を重視するのがオランダらしい特徴のようです。
お菓子
シンタクラースの季節には、独特の菓子が店頭を彩ります。
代表的なものとして、スパイスが効いた小さな丸いクッキー「ペッパーノーテン(pepernoten)」、
風味豊かなビスケット「スペキュラース(speculaas)」、
アルファベットの形をしたチョコレート「ショコラーデレター(chocoladeletter)」など。
街のお菓子屋さんだけでなく、どこのスーパーマーケットにもこのお菓子の為の棚が現れます。
今年は夏、8月ごろから見かけた気がします。流石に早い。


サンタクロースとのつながり
シンタクラースの伝統は、17世紀にアメリカへ移住したオランダ人によって新大陸に伝えられました。
彼らの文化が英語圏に溶け込む過程で、「Sinterklaas」は「Santa Claus」へと変化し、
現在のサンタクロース像の原型となったとされています。
アメリカのサンタクロースはキリスト教色を薄め、商業的・大衆文化的な要素を取り入れて発展したのに対し、
オランダのシンタクラースは今も地域社会に根ざした家庭行事として続いている。
両者は起源を同じくしながらも、文化的意味合いにおいて明確に異なる存在といえるかもしれません。
実は一番大変なのは
シンタクラースは子どもたちにとって一大イベントですが、実は親にとってはなかなかの大仕事。
各種イベントに付き合い、靴に入れるお菓子やコインを準備し、プレゼントをひた隠し、
12月5日の夕方、いきなりドアがたたかれる演出も必須…
そしてそれが終わると年末のホリディシーズンに突入!
シンタクラースさんがお家に来てくれるのは9歳までらしいのでそれが救いでしょうか?
みなさま、お疲れ様です。
―― 漢方俱楽部マツフジ 松藤友紀

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