白い食材で内側から潤す、体質別秋の薬膳的取り入れ方

漢方・東洋医学

こんにちは、漢方俱楽部マツフジの松藤友紀です。

前回の記事では、薬膳のもとになる五行説をもとに、
「秋=肺=白」という関係性、
そしてなぜ秋に『白い食材』が良いのかについてお話しました。

白い食材は、乾燥しやすい秋に体の潤いを守る味方。
今回はその続きとして、白い食材を体質や悩み別に、どう取り入れると効果的かを見ていきましょう。

 

■ 白い食材の力を生かすにはバランスが大切

白い食材は「潤い」を与えてくれますが、
薬膳の考えでは「潤す」と同時に「巡らせる」ことが大切です。

梨や白きくらげなどは冷性(体を冷やす性質)を持つものが多いため、
冷えが気になる人は温める食材と組み合わせるのがおすすめ。

💡潤い+温め、が秋の黄金バランス

  • 冷えやすい人 → 温性の食材(しょうが・ねぎ・黒胡椒など)をプラス
  • のぼせや乾燥が強い人 → 潤いの食材(白きくらげ・豆乳など)を中心に

「潤い」を補いながら「冷え」を防ぐ
これが秋の薬膳の基本です。

 

■体質・悩み別のおすすめ食べ方

秋の不調は人それぞれ。
ここでは、体質やお悩み別におすすめの白い食材の取り入れ方をご紹介します。

🕊 乾燥が気になるタイプ

  • おすすめ食材: 白きくらげ・梨・豆乳
  • 取り入れ方: 梨×白きくらげの温デザートスープ

やさしい甘さととろみで、喉・肺・肌を内側からうるおします。


🌬 咳・喉の不調が気になるタイプ

  • おすすめ食材: れんこん・百合根・はちみつ
  • 取り入れ方: れんこんとはちみつのホットドリンク

れんこんの自然な甘みとはちみつの潤い効果で、咳や喉の痛みに◎


❄️ 冷え性タイプ

  • おすすめ食材: 山芋・豆腐・白ごま
  • 取り入れ方: 山芋と白ごまのポタージュ風スープ

消化を助け、体を温めながら潤いを守る。朝食にもぴったりです。


💧 便秘気味タイプ

  • おすすめ食材: 白ごま・はちみつ・豆乳
  • 取り入れ方: ホット豆乳ごまドリンク

白ごまの油分とはちみつの潤いが腸をやさしくサポート。


🌸 美肌を整えたいタイプ

  • おすすめ食材: 白きくらげ・豆乳・れんこん
  • 取り入れ方: 白きくらげと豆乳の美肌スープ

肌の乾燥を防ぎ、透明感を引き出す『食べる美容液』。

 

■秋の潤いを深める「白×温」薬膳のすすめ

白い食材には『清らかさ』や『静けさ』のエネルギーがあります。
そこに「温める」食材を合わせることで、体の中の巡りが生まれ、気血がスムーズに流れます。

🌿 白い食材=食べる保湿
🔥 温める食材=巡りを生む

この2つを合わせることが、秋の薬膳バランスです。

 

■肺が整うと、心もしなやかに

薬膳では「肺は悲を蔵す」と言われます。
肺のバランスが乱れると、気分が沈みやすくなったり、息が浅くなったりします。

温かいスープをゆっくり味わいながら深呼吸する時間は、
体だけでなく、心をうるおす『心の養生』にもなります。

体と心の潤いは、どちらも同じ「陰」のエネルギーから。
秋は、内側をやさしく満たす時間を大切にしましょう。

 

■まとめ

白い食材は、秋の乾燥から体と肌を守る自然の恵み。
でも、薬膳の知恵では「潤す」だけでなく「巡らせる」ことが鍵です。

温かい食材と組み合わせて、冷やさずやさしく取り入れることで、
心身がしっとり落ち着き、季節の移ろいを心地よく過ごせます。

白で、温で巡らす。
それが、秋の薬膳インナービューティーの秘訣です。

 

■次回予告

 次回は、冬の養生テーマ
黒い食材でエネルギーを蓄える」についてご紹介します。
寒さに負けない体づくりのヒントをお届けします。

  

―― 漢方俱楽部マツフジ 松藤友紀

 

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