こんにちは、漢方俱楽部マツフジの松藤友紀です。
冬が深まると、体が冷えて巡りが悪くなったり、眠りが浅くなったりしやすくなります。
今回は、冬に意識したい「巡り」と「睡眠」に焦点を当て、薬膳的な視点から整え方をご紹介します。
■冬と「巡り・睡眠」の関係
冬は一年の中で最もエネルギーを内側に蓄える季節とされています。東洋医学では、冬は『腎』が最も影響を受ける時期で、静かに過ごし、しっかり休むことで腎精が補われ、春の活動に備える力が養われると考えます。睡眠が深まるほど生命力の基盤が強くなるため、冬の睡眠の質は特に重要です。
一方で、気温の低下や運動量の減少により気血の巡りが滞りやすく、冷え・むくみ・肩こり・頭重感などが起こりやすくなります。巡りが悪いと体が緊張し、眠りが浅くなることもあります。冬の養生で大切なのは、「巡らせながら、しっかり休む」という二つのバランスを取ることです。
■巡りを整える冬の食材
冬は体が固く縮こまりやすい季節です。外からの冷えにより巡りが弱まるため、温めながら動かす食材を取り入れることで、体の内側から整いやすくなります。
巡りを促す食材(気・血を動かす)
- 生姜
- ネギ
- 玉ねぎ
- 黒胡椒
- 陳皮
- 黒きくらげ
- 黒酢
香りや辛味を持つ食材は、滞りやすい冬の気血を動かす力があります。
腎を支えながら巡りを助ける食材
- 黒豆
- ひじき
- 海藻
- 山芋
- 栗
- くるみ
これらは冬に影響を受けやすい腎を補い、体を温める力を持っています。「補う食材」と「巡らせる食材」の両方を組み合わせて摂ることが、負担の少ない冬の養生になります。
冬の養生については、先日の『薬膳で考える「冬」と「黒い食材」』でも詳しく紹介しています。
■冬の睡眠を深める薬膳の視点
冬は本来、睡眠が深まりやすい季節ですが、冷えやストレス、食べすぎが続くと眠りの質が落ちてしまいます。特に冷えによる気血の停滞は、寝つきの悪さや途中覚醒につながりやすく、冬の疲れをためる原因になります。
睡眠を深める食材
- 黒ごま
- なつめ
- 小豆
- くるみ
- 白きくらげ
- かぶ
- ゆり根
- はちみつ(適量)
これらの食材は心身を落ち着かせる作用があり、眠りをサポートします。夜は温かく消化に優しい食事が理想的です。寝る前には白湯や生姜湯などで体を温め、巡りを整えておくと、スムーズに休息モードに移れます。
■冬の巡りと睡眠を整える簡単な実践
・朝は必ず「温める」
白湯を飲み、軽いストレッチで体をゆるめてから一日を始めます。朝の内側からの温めは、その日の巡りを良好に保つ土台になります。
・夜は「鎮める」
夕食後は照明を落ち着かせ、画面を長く見ないようにします。甘いものは夜遅くに摂ると巡りを滞らせやすいため、早めの時間に少量にとどめると安心です。
・入浴は短時間+首・お腹を温める
長風呂でのぼせるよりも、体の中心部をしっかり温めるほうが巡り改善に適しています。首とお腹が温まると体が自然にゆるみ、睡眠の質も高まりやすくなります。
■冬におすすめの簡単レシピ
生姜・黒豆のぽかぽかスープ
- 黒豆(ゆでたもの)
- 生姜薄切り
- ネギ
- 昆布だし
- 塩少量
黒豆で腎を補い、生姜とネギで巡りを促す、冬にぴったりのスープです。胃腸への負担が少なく、夜にも朝にも取り入れやすい一品です。
ものたりない場合は、手羽などを加えて満足感アップ。
■まとめ
冬は体を内側から整える大切な季節です。
巡りが滞らないように温める工夫を取り入れながら、しっかり睡眠を確保することで、腎の力が養われ、春への準備が整います。毎日の食事と生活の中に小さな調整を加えるだけで、冬の不調はグッと軽くなります。無理をせず、静けさの中で体の声を聞きながら過ごすことが、冬の薬膳の基本です。
冬の薬膳をさらに知りたい方は、体質別の冬の養生の記事もあわせてご覧ください。
―― 漢方俱楽部マツフジ 松藤友紀

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