ウシ牛の胆嚢中にある結石
犬伏製薬株式会社のHPより

千頭から1万頭に1頭くらいの割合で胆石もちの牛がいます。

その胆石が「牛黄」です。

牛黄は、強心、鎮静、鎮痙、解熱、解毒作用のある高貴薬です。

『牛黄』

●神農本草経・・中品
●薬味・薬味・・苦・平、 血剤 
●帰経・・・・・心、肝経
●薬効・・・・・治驚癇、寒熱、熱盛狂痙、除邪逐鬼。久服、増年。胆、可丸薬。

驚いて卒倒した者、高熱で痙攣を起こした者、精神に異常をきたした者を治す
久しく服用していると長生きをする。

●名医別録・・・中品
●薬味・薬味・・苦・平、 血剤
●薬効・・・・・有小毒。

主治小児百病、諸癇、熱口不開、大人狂癲。又堕胎、久服軽身、増年、令人不忘
子どものあらゆる病気、口も開けられないほどの高熱、大人の精神錯乱等を治す
流産させる(これは???です。)
久しく服用していると体が楽になって長生きをし、物忘れをしなくなる

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● 平成薬証論・・渡邉武博士著

神農本草経や名医別録に「小児百病」や「諸癇」に使うと記載されています。

中国でも日本でも、有名な牛黄製剤として、こうした病症に使われる奇応丸や小児六神丸などがあり、小児ばかりではなく、大人にも救急薬として用いる同名処方が色々あります。

これらの処方には苦味で強心解熱作用のある熊胆、逆に辛温で強心解熱作用のある麝香等が配合されてきました。

日本では奈良時代以来、熊野神社、東大寺の二月堂のお水取りの護符などに「牛王宝印」「牛玉宝印」「牛王宝命」等と印された牛王宝印がありこのお札は、墨に牛黄を入れた牛黄墨で刷られたものです。

信者さん達は病気になると、この護符を水に浮かべて飲みました。

さすれば薄くとも高貴薬・牛黄の効果は覿面 !!

で、霊験あらたか、ということで「牛王宝印」は全国で牛王売りよって売られていました。