『乾姜』・・・ショウガ科の多年草、ショウガの根茎
これは生姜を蒸して過熱乾燥したもの
●神農本草経・ ・ 中品
●薬味と薬味・・ 辛・温(熱) 気剤
●帰経・・・・・肺、脾、腎経
●薬効・・・・・治胸満、咳逆、上気、温中、止血、出汗、逐風湿痺腸澼、下利、生者尤良。
久服、去臭気、通神明。
●漢方薬としての生姜
薬用には、新生姜より気味の高いひね生姜をそのまま刻んで生で煎用するか、乾燥した粉末または煎剤とするそのまま乾したものを乾生姜、蒸して加熱乾燥したものは乾姜と呼ばれる。
生姜は芳香性健胃整腸、駆風、矯味、食欲増進薬として、新陳代謝機能を促し、水毒を去る目的で、嘔吐、咳嗽、腹満、発熱、頭痛、鼻づまりなどに応用される(一日3~4g)。
乾姜は腹の冷えて痛むもの、腰痛、腹痛、頭痛、瀉下などに応用される。
これを漢方では辛温の気剤という。
辛温の気剤は生姜に限らず、肺・鼻・皮毛(毛穴)などの呼吸器官からの発散を補い、大腸の働きを助けるので、腸のガスを発散する駆風作用があり、脾胃の活動も助けるので、健胃整腸薬と呼ばれる。
さらに心臓循環器の負担の結果現れている頭痛、発熱、咳嗽、嘔気などの生理症状を、生姜は発散解消する。
結果的には辛温剤は、心臓を益することになり、消化吸収から排泄、血液循環、呼吸器の活動に寄与することになる。
要約すると生姜は、湿気を気化して払い去り、血行をよくし、皮膚と呼吸器、胃腸の粘膜に働いて健全化を図り、そこに発生する微生物の発育を阻止する抗菌・抗カビ御作用を発揮することになる。これが香りあるものを皮膚や頭髪に化粧料とする慣習であり、疾病に漢方薬として使用されてきた原理である。
数多い漢方処方中、生姜または乾姜を配合したものは実に56%に達していて、数多い香辛料の中でも、生姜は東洋人の体質に最も適合したものであることを物語っている。
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辛温剤は皮膚粘膜に刺激を与え、健康美を護る食品・薬物で、食べ物を腐らないよう、カビないようにして、速やかに消化吸収する薬味であることである。
腐りやすい食品は美味なもので、生物の生存に必須の蛋白源である。
したがって先人は、肉、魚、卵、豆腐などを食べる時、
必ず生姜、山椒、番椒、胡椒、辛子、わさびなどを薬味として添えることを教えていて、それが不足したり、多すぎると、肝臓がそのしわ寄せを負うことである。
渡邉武博士「薬草百話」より
香辛料は腸内での悪玉菌の働きを抑制することでも知られています。
悪玉菌の生成物は血を汚す原因にもなっていますから、
香辛料をちゃんと摂取することは血を綺麗にすることにも繋がります。