5月の不調は「食べ方」で変わる 立夏から始める薬膳養生

漢方・東洋医学
『黄帝内経素問・四氣調神大論』から読み解く5月の養生
春は「のびやかに生きる」季節 5月に入り、自然界はすでに「春のピーク」から「初夏への移行期」に差し掛かっています。 それでも、東洋医学の古典である黄帝内経素問に記されている 春の養生原則 は、まさに今の時期にこそ実践的な価値を持ちます。

こんにちは、漢方俱楽部マツフジ 松藤友紀です。

5月も半ばに入り、暦の上ではすでに「立夏」を迎えました。
東洋医学では、この時期は『春の養生』から『初夏の養生』へ切り替わるタイミングと考えます。

実際、ここ最近こんな不調を感じていないでしょうか?

  • 朝からなんとなくだるい
  • 食欲にムラがある
  • イライラするのに疲れている
  • 寝ても回復しきらない
  • 胃腸が重い
  • のぼせるのに手足は冷える

これは単なる「季節の疲れ」ではなく、春の間に外へ発散していたエネルギーに、身体がまだ追いついていない状態とも言えます。

東洋医学では、この時期は

巡り」を保ちながら、「消耗」を回収する時期

と捉えます。


春の疲れは「肝」と「脾」に出る

春は「肝」の季節でした。
肝は気を巡らせる役割を持っています。

しかし、現代人は春にうまく発散できない。

  • 新年度のストレス
  • 環境変化
  • 情報過多
  • スマホやPCによる目の酷使
  • 夜更かし

こうした積み重ねで「肝気鬱結」が起こると、今度は消化吸収を担う「脾(ひ)」へ負担が波及します。

すると、

  • 胃が重い
  • 甘い物が欲しくなる
  • 疲れると食べ過ぎる
  • むくむ

といった 脾虚 傾向が出やすくなる。

つまり5月は、

「気は滞るのに、胃腸は弱る」

という、少し厄介なアンバランスが起こりやすい時期なのです。


5月の食養は「軽く・巡らせる」が基本

この時期に重要なのは、補いすぎないこと。

疲れているからといって、

  • 焼肉
  • 揚げ物
  • 濃厚な味
  • アルコール

で押し切ると、かえって身体に熱と湿がこもります。

5月はむしろ、

「軽く巡らせて、胃腸を休ませる」

くらいがちょうどいい。

おすすめは、

気を巡らせる食材
  • セロリ
  • 三つ葉
  • 紫蘇
  • 新玉ねぎ
  • 柑橘類

香りのある食材は、停滞した気を動かします。


「苦味」はこの時期の自然な薬

東洋医学では、初夏に向かう時期は 軽い苦味 が役立つとされます。

例えば:

  • 春菊
  • ゴーヤ(少量)
  • 菜の花
  • 緑茶

苦味には、

  • 熱を冷ます
  • 余分なものを下げる
  • 頭に上った気を落ち着かせる

という作用があります。

最近「なんとなく頭が熱い」「イライラする」という人ほど、自然な苦味が合います。


一方で、「血」は少し補っておく

春から初夏は、意外と血の消耗も起こりやすい。

特に、

  • 目の疲れ
  • 不眠
  • 爪が割れやすい
  • 髪がパサつく

こうしたサインがある人は、「肝血不足」傾向かもしれません。

おすすめは、

  • ほうれん草
  • 小松菜
  • 黒ごま
  • 棗(なつめ)
  • 枸杞の実

ポイントは「少しずつ、継続的に」

一気に 滋養強壮 へ振り切らないことが、この季節のコツです。


5月は「胃腸をいたわる」が最優先

意外と見落とされますが、5月後半から湿気が増え始めます。

すると胃腸は一気に弱りやすくなる。

だからこそ:

  • 冷たい飲み物の飲み過ぎ
  • アイスや冷菓
  • 生もの過多

は、今の時期は少し注意。

特に疲れている時ほど、冷やしてスッキリが逆効果になるケースがあります。

おすすめは、

  • 常温〜温かい飲み物
  • スープ
  • お粥
  • 蒸し料理

など、脾胃を冷やし過ぎない食べ方

派手さはありませんが、こういう基本が後々の体調差になります。


まとめ「頑張って回復しよう」としない

5月は、気候としては過ごしやすい一方で、身体の中ではかなり調整が起きています。

だからこそ必要なのは、

「強く補うこと」ではなく
「巡りを保ちながら、少し休ませること」

です。

現代人は、疲れるとすぐ栄養で立て直そうとします。
でも東洋医学は、まず「滞りを取る」ことを重視する。

流れが戻れば、身体は自然に回復していく。

5月の薬膳・食養は、その 回復できる身体 を静かに取り戻す作業なのかもしれません。

 

漢方俱楽部マツフジ 松藤友紀
 
登録販売者 薬膳漢方マイスター 当サイト・オンラインサロン管理者
1980年生まれ。
2019年に愛猫 Leonidas と共に渡蘭。
オランダ在住。

 

 

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