薬膳で考える「秋」と「白い食材」

漢方・東洋医学

こんにちは、漢方倶楽部マツフジの松藤友紀です。

漢方俱楽部マツフジのメンバー限定ブログの記事から「原典から見た秋」という記事を無料公開しました。
そこで今日はその中で少し触れている、「」と「白い食材」についてご紹介します。

原典から見た秋|漢方倶楽部マツフジ(note)
https://note.com/kc_matsufuji/n/nb755c7f4c632

 

■ 秋の体の特徴

秋は「燥(そう)」=乾燥の季節とされています。空気が乾き、肺や喉、肌などの粘膜が影響を受けやすく、「咳」「喉の痛み」「肌の乾燥」「便秘」などの不調が出やすくなります。
そのため、秋の養生では 「潤いを補う(潤肺・滋陰)」こと が大切です。

 

■ 白い食材が秋に良い理由

薬膳のもとになる「五行説」では、季節・臓器・色などあらゆるものが五つの要素で結びついていると考えます。その中で、秋は「金」の季節にあたり、この「金」に対応する臓器が肺、そして色は白とされています。

秋は空気が乾燥し、呼吸器や皮膚が影響を受けやすい時期。
このため、肺を守り潤す「白い食材」を取り入れることが、季節の変化に合わせた自然な養生になります。

白い食材には、肺をうるおし、咳や喉の痛み、肌の乾燥をやわらげる働きがあるとされます。
つまり、『秋は肺をいたわる季節』、そして『肺を元気にする色が白』なのです。

 

■ 代表的な「白い食材」とその効能
食材主な効能おすすめの食べ方
潤肺・止咳・解熱コンポートやスープにして温かく
白きくらげ潤肺・滋陰・美肌スープやデザートに
れんこん清熱・止血・潤肺すりおろしスープやハンバーグに
大根清熱化痰・消化促進大根おろしや煮物でさっぱりと
百合根(ゆりね)潤肺・安神・鎮咳茹でて和え物やおかゆに
豆腐・豆乳潤燥・補陰・健脾温めて摂るとさらに良い
白ごま潤腸・補陰・美肌すりごまにして和え物や隠し味に
山芋(やまいも)補気・養陰・健脾すりおろしてとろろや炒め物に
はちみつ潤肺・止咳・整腸温かいお湯やお茶に溶かして

 

■ 秋の潤いレシピのポイント
  • 冷たいものより温かい調理法(蒸す・煮る)を意識
  • 辛いものや揚げ物など、乾燥を助長する食品は控えめに
  • 体を潤す白い食材に、少量の黒ごま・くるみなどの補陰食材を組み合わせるとさらに効果的

 

■ まとめ

秋は、空気が乾き、肺や喉、肌がダメージを受けやすい季節。
薬膳では、この時期は『潤い』を意識して体を整えることが大切と考えます。

白い食材は「肺」を助ける色とされ、乾燥から身体を守る力を持っています。
梨やれんこん、白きくらげ、豆腐などを意識して取り入れることで、呼吸器や肌、腸内環境の調子を穏やかに整え、秋特有のカサつきや不調をやわらげてくれます。

また、薬膳の基本は『バランス』。
冷たいままでは体を冷やしてしまうため、スープや煮物、蒸し料理など温かい形でいただくのがポイントです。

白い食材で体の内側からうるおいを満たし、穏やかに冬へと移りゆく季節を健やかに過ごしましょう。

 

―― 漢方俱楽部マツフジ 松藤友紀

 

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